リバースマージャー方式

既に株式公開している休眠会社(シェルカンパニー)を購入して、既存企業を合併または子会社化することを、リバース・マージャー(リバース・テークオーバー)言います。日本ではなかなか耳慣れない言葉ですが、米国では新規株式公開(IPO)に並ぶメジャーな財務戦略です。

※日本の会社法では、海外企業と日本企業の直接の合併及び株式交換は認められていません。したがって多くの場合、三角合併のスキーム(シェルカンパニーの日本子会社を設立して、その日本子会社を存続企業として既存企業と合併するスキーム)が必要となります。

リバースマージャーのパターン】

■ 純粋な持株会社化

既存企業をシェルカンパニーの子会社化することにより、短期間で株式の時価が生み出され、マーケットでの売買が可能となります。

パターン : 持株会社型
企業再編スキーム : 三角合併、キャッシュによる買収等

■ 収益分野のみ分社化

既存企業の収益分野のみをシェルカンパニーの子会社化することにより、リバースマージャー後の時価総額を大きくすることができます。

パターン : 事業再生型、超成長志向型
企業再編スキーム : 三角吸収分割等

■ 資本政策・株主構成の再構築

シェルカンパニーの株主構成を、既存企業の状態から短期間であるべき姿に移行していきます。現状の株主構成に問題意識をお持ちのケースに最適なソリューションです。(事業承継も含む。

パターン : 事業承継型、資本政策再構築型
企業再編スキーム : 現物出資等

 

【OTCQBおよびOTCBBのリバースマージャーについて】

OTCQB, OTCBBでのリバースマージャーに関しては、以下の事項を考慮して検討する必要があります。

  • シェルカンパニーの購入金額が高い (通常ピンクシートの2倍以上)
  • 購入した時点から、監査及びディスクロージャーの業務とコストがかかってくる
  • 子会社含めた監査をクリアできなければ下位に落ちてしまう

OTCQB, OTCBBのリバースマージャーは、既に利益が上がっている企業が上位市場のナスダック(NASDAQ)上場までの時間を短縮化し、コストを抑制するという目的の下では、非常に有効な財務戦略です。
ただし、OTCBBのシェルカンパニーを購入しても、リバースマージャー後の監査及びディスクロージャー体制が完全に機能できるまでは、目的は達成されません。最悪の場合、「コストばかりかかって結局ピンクシート」というリスクがあるということも認識し、十分な事前調査と検討が必要です
尚、OTCQB, OTCBBのシェルカンパニーではなく、SECへ財務諸表を開示しているシェルカンパニーを購入し、リバースマージャー後にOTCBBに株式公開申請する方式であれば、OTCBBシェルカンパニーを購入する方式の約半分のコスト(2,500万円以内)で三角合併~OTCBB公開が可能です。